Oil Painting Works 5

Transparent room

 

statement

 

いつものように電車の窓から外の景色を眺めていた時、ふいに違和感のようなものを感じ、思わず目を奪われた。

ある建物(古いビルだった気がする)の窓が開いていて、向こうの景色が見えたのだった。見えるはずのない、建物の向こう側に見えた風景。

 その時私が感じたのは、人が作り出した空間の小ささ(面積的なものでなく、頼りなさのほうかもしれない)と、突き抜けるような開放感だった。

 景色はどこまでも続いている。見えていないだけで、視覚や意識を通り越した遠くまですり抜けて行く。 そして建物の中の空間は、どんなに完全に区切ったかのように思えても、風景からかりそめに切り取っただけのものかもしれないということ。

 

 Transparent room」では、窓から窓へ通り抜けて行く途中の小さくはかない空間と、その先にあるどこまでも広がっていく風景を描いている。

 

Cross,Parallel,the middle

 

statement

 

同じ場所で同じ時間を過ごし同じ景色を見ていたとしても、目に映るものや記憶に残るものは見る人によって全く違う。

わたし達が居たはずの場所を正確に思い描こうとしても、自分のフィルターだけを通した風景は実像から少しずれている気がする。

わたしが見たもの、あなたが見たもの、もしくは全く知らない誰かが見たもの。

それぞれが思い描く断片の中で、わずかにでも交差しているものがあるなら、そこに実在した風景が浮かび上がるのではないかと思う。