Oil Painting Works 3

Over there

 

statement 

 

記憶の中の景色というのは、断片の情報の集まりでしかありません。

写真ならばその場に存在した情報すべてを平等に写し出しますが、人の記憶というのは、きっと気になったものや惹かれたものを中心に作られているものだと思います。人によってどこかが欠けていたり、どこかが強調されていたり、全く同じものではないのかもしれません。

 私がさまざまな場所を思い出す時、その場に居た人たちの様子というのがいちばん印象に残っている気がします。鴨川に等間隔で並ぶカップル、お花見でブルーシートを広げてくつろぐ家族や友達、同じ方向へ行き来する人々…など。

 人々の様子から見えてくる風景は、誰しもがどこかで一度は出会っている景色なのではないかと思います。そして白の部分に描かれているのは、見る人ひとりひとりの記憶の中にある、似ているようでそれぞれ違う景色です。

 絵は一枚の絵でしかないけれども、そこにたくさんの景色が見えればと思います。

 

bird eyes

 

statement  

 

鳥の目線で景色を見降ろしたならば、世界はいったいどんなふうに目に映るのでしょうか。

あまりにもたくさんの建物が立ち並び、どこまでも景色が続いていき、気が遠くなってしまうのではないでしょうか。

私ならば、きっと目印を付けながら飛んで行くと思います。とりあえずはあの高い木まで、次は向こうの山を目指して…などと考えながら。

ほぼ白く情報が消された俯瞰図に描かれるのは、私が思う「鳥が見た世界」です。

どこまでも静かで、遥か彼方まで続いていくような、遠くへ思いを馳せて生まれたシリーズです。